労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

1. 労働時間管理に関すること⑤その他(労働時間管理)

2021.9.30自院(自らの事業場)の法定休日に他院(他の使用者の事業場)において副業・兼業が行われた場合、法定休日を確保したことになりますか。

 労働基準法第38条第1項により通算されるのは労働時間に関する規定であり、休日に関する規定は通算されないため、労働者が自らの事業場の法定休日に他の使用者の事業場において副業・兼業を行った場合においても、自らの事業場における法定休日は確保したことになります。
 なお、労働者が他の使用者の事業場において、自らの事業場の法定休日に労働を行った場合、当該他の使用者の事業場においては所定労働時間又は所定外労働時間となり、自らの事業場においては、自らの事業場における法定休日であったとしても、自らが指示した労働ではないため、(自らの事業場の労働時間と通算する場合、)他の使用者の事業場における所定労働時間又は所定外労働時間として取り扱うこととなります。
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&Aより)

2021.9.162024年4月以降を見据えた、複数医療機関に勤務する医師の労働時間管理方法の例について教えてください。

 労働基準法において、労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算することとされており、労働基準法の時間外労働の上限規制が適用される労働者については、副業・兼業先の労働時間も含めて、時間外・休日労働が上限を下回っている必要があります。
 そのため、副業・兼業を行う医師がいる場合、当該医師の「自院での労働時間」について自院で36協定により定めた時間を超えないようにする義務があるほか、「自院での労働時間」と医師からの自己申告等により把握した「副業・兼業先での労働時間」も通算した上で、時間外・休日労働の上限を超えないようにする義務があります。
 また、連続勤務時間制限、勤務間インターバル、代償休息等の追加的健康確保措置(2024年4月より)についても、時間外労働の上限規制と同様、副業・兼業を行う医師がいる場合、当該医師の「自院での労働時間」と医師からの自己申告等により把握した「副業・兼業先での労働時間」を通算した上で実施する義務(連携 B・B・C-1・C-2水準)又は努力義務(A 水準)とされます。
 医療機関において雇用する医師が副業・兼業を行っていることを把握している場合は、医師の自己申告等により、労働時間数の見込みや実績について把握する必要があります。また、許可制・届出制でない場合でも、本人からの自己申告を促し、申告に基づき把握した、副業・兼業先の労働時間を通算して管理する必要があります。
 以上を踏まえ、複数医療機関に勤務する医師の労働時間管理方法の例は以下のとおりです。
①主たる勤務先(主に大学病院を想定)は派遣先における勤務を含めて、時間外・休日労働の上限、連続勤務時間制限、勤務間インターバルを遵守できるようなシフトを組むとともに、主たる勤務先・派遣先・個人の希望に基づく副業・兼業先でのそれぞれの労働時間の上限(通算して時間外・休日労働の上限規制の範囲内)を医師との話し合い等により設定しておく。
②医師個人の希望に基づく副業・兼業については、上記のシフト・上限を前提に連続勤務時間制限、勤務間インターバルを遵守できるように副業・兼業先の勤務予定を入れ、自己申告する。
※①・②のシフト・予定は、主たる勤務先及び副業・兼業先で突発的な業務が発生しても、あらかじめ上限規制の範囲内で設定した労働時間の上限を遵守できるよう、ゆとりをもって設定する。
③副業・兼業先で突発的な業務の発生等により予定していた時間より長く勤務してしまった場合には、適切な面接指導の実施、代償休息の付与等の観点から、随時、自己申告する。
④ただし、あらかじめ設定した上限の範囲内で労働している場合であって、
 ・ (B・連携B・C水準適用で毎月面接指導が組み込まれている医師については)代償休息が発生しない場合
 ・ それ以外の医師については、代償休息が発生しない、かつ、月の時間外・休日労働が100時間以上になるおそれがない場合
には、翌月に1か月分まとめての自己申告でもよい。
(参考資料:医師の勤務実態把握マニュアル

2021.9.2副業・兼業につき、簡便な労働時間管理の方法(管理モデル)について教えてください。

 副業・兼業の日数が多い場合や、自院と副業・兼業先の双方で所定外労働がある場合などにおいては、労働時間の申告等や労働時間の通算管理において、労使双方の手続上の負荷が高くなることが考えられます。
 管理モデルは、そのような場合等において、労使双方の手続上の負荷を軽くしながら、労働基準法に定める最低労働条件が遵守されやすくなる方法で、具体的な方法は以下のとおりです。
① 副業・兼業の開始前に、
 (A)当該副業・兼業を行う労働者と時間的に先に労働契約を締結していた使用者(以下「使用者A」といいます。)の事業場における法定外労働時間
 (B)時間的に後から労働契約を締結した使用者(以下「使用者B」といいます。)の事業場における労働時間(所定労働時間及び所定外労働時間)
を合計した時間数が時間外労働の上限規制である単月100時間未満、複数月平均80時間以内となる範囲内(医師は2024年3月31日まで上限規制は適用されず、それ以降の取扱いは今後省令で定めることとされています)において、各々の使用者の事業場における労働時間の上限をそれぞれ設定する。
② 副業・兼業の開始後は、各々の使用者が①で設定した労働時間の上限の範囲内で労働させる。
③ 使用者Aは自らの事業場における法定外労働時間の労働について、使用者Bは自らの事業場における労働時間の労働について、それぞれ自らの事業場における36協定の延長時間の範囲内とし、割増賃金を支払う。
 これにより、使用者Aと使用者Bは、副業・兼業の開始後においては、それぞれあらかじめ設定した労働時間の範囲内で労働させる限り、他の使用者の事業場における実労働時間の把握を要することなく労働基準法を遵守することが可能となります。
 管理モデルにおける労働時間の通算の順序は、労働時間の通算の原則的な順序と異なり、
① A事業場における所定労働時間+A事業場における所定外労働時間(A法定内所定外労働時間・A法定外所定外労働時間)の上限
② B事業場における労働時間(B所定労働時間+B所定外労働時間)の上限
となります。
 なお、A事業場において、所定労働時間と所定外労働時間を合計しても法定外労働時間が発生しないような場合に管理モデルを利用する場合であって、B事業場において、
・ 使用者Bが、副業・兼業を行う労働者のA事業場における日ごとの労働時間を把握しており、
・ A事業場における日ごとの労働時間とB事業場における労働時間を通算しても法定労働時間の枠に収まる部分が明確となっている
場合には、使用者Bは、その通算して法定労働時間内に収まる部分の労働時間について、割増賃金を支払わないこととすることは差し支えありません。
詳しくは、以下の資料が参考になります。
副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A

2021.8.30自院で雇用されており、かつ、副業・兼業先においても雇用される場合には、労働基準法における労働時間等の規定の適用はどうなりますか。原則的な労働時間の通算方法の考え方を教えてください。

 労働者がA事業場でもB事業場でも雇用される場合には、原則として、その労働者を使用する全ての使用者が、A事業場における労働時間とB事業場における労働時間を通算して管理する必要があります(労働基準法(以下「労基法」)第38条第1項、労働基準局長通達(昭和23年5月14日基発第769号))。
 労働時間を通算した結果、法定労働時間(労基法第32条、第40条)を超えて労働させる場合には、使用者は、自院で発生する法定時間外労働について、あらかじめ36(サブロク)協定の締結・届出の必要があります。
 また、使用者は、労働時間を通算して法定労働時間を超えた時間数が、労基法第36条第6項第2号及び第3号に定める時間外労働の上限規制(いわゆる、単月 100 時間未満、複数月平均 80 時間以内の要件)の範囲内(医師は2024年3月31日まで上限規制は適用されず、それ以降の取扱いは今後省令で定めることとされています)となるようにする必要があります。
 加えて、使用者は、労働時間を通算して法定労働時間を超えた時間数のうち自ら労働させた時間について、割増賃金(労基法第37条第1項)を支払う必要があります。
 これらの労基法上の義務を負うのは、当該労働者を使用することにより、法定労働時間を超えて当該労働者を労働させるに至った(すなわち、それぞれの法定外労働時間を発生させた)使用者です。
 具体的には、まず労働契約の締結の先後の順に所定労働時間を通算し、次に所定外労働(所定労働日における所定外労働と、所定休日における労働時間)の発生順に所定外労働時間を通算することによって、労働時間の通算を行い、労基法が適用されます。
 なお、労基法第36条第6項第2号及び第3号に定める時間外労働の上限規制については、通算するべき所定外労働として、所定労働日における所定外労働と、所定休日における労働時間に加えて、自らの事業場の法定休日における労働時間についても、これらの全てを発生順に所定外労働時間として通算することによって労働時間の通算を行い、労働時間の上限規制を遵守する必要があります。
 整理すると、例えば、A事業場の使用者Aと先に労働契約を締結している労働者が、B事業場の使用者Bと新たに労働契約を締結して副業・兼業を行う場合の労働時間の通算の順序は、①、②、③の順となります。
 ① A事業場における所定労働時間
 ② B事業場における所定労働時間
 副業・兼業の開始前に、まずは①と②を通算します。通算の結果、自らの事業場の労働時間制度における法定労働時間(通常の労働時間制度の場合は1週40時間、1日8時間)を超える部分がある場合、この法定労働時間を超える部分は法定時間外労働となります。
 また、副業・兼業の開始後に、使用者Bは、この法定労働時間を超える部分のうち、自ら労働させた時間について、時間外労働の割増賃金を支払う必要があります。
 ③ A事業場における所定外労働時間又はB事業場における所定外労働時間(実際に行われた順に通算)
 使用者A及び使用者Bは、それぞれ、①と②の通算(所定労働時間の通算)の後、副業・兼業の開始後に、A事業場における所定外労働時間とB事業場における所定外労働時間を、所定外労働が行われる順に通算します。
 通算の結果、A事業場又はB事業場の労働時間制度における法定労働時間を超える部分がある場合、それぞれの法定労働時間を超える部分はそれぞれ法定時間外労働となります。
 すなわち、A事業場では、「上記の通算の結果、A事業場の労働時間制度における法定労働時間を超える部分」が法定時間外労働となり、B事業場では、「上記の通算の結果、B事業場の労働時間制度における法定労働時間を超える部分」が法定時間外労働となります。
 そして、使用者A及び使用者Bは、それぞれ、この法定労働時間を超える部分のうち、自ら労働させた時間について、時間外労働の割増賃金を支払う必要があります。
 例えば、先に契約したA事業場(法定労働時間は週40時間)において週30時間、後に契約したB事業場(法定労働時間は週44時間)において週15時間の所定労働時間がある場合において、労働者がA事業場及びB事業場で労働契約のとおり労働した場合、1週間の労働時間は通算して45時間になりますが、A事業場においては、5時間が時間外労働(ただし、Aが時間外労働を行わせることにはなりませんので、使用者Aにおいて36協定の締結や割増賃金の支払は不要(所定労働時間のみであれば))、B事業場においては、1時間が時間外労働(Bが1時間の時間外労働を行わせることになりますので、使用者Bにおいて36協定の締結や割増賃金の支払が必要)となります。
 なお、更に所定外労働が発生した場合は、A事業場においては5時間の時間外労働の次に、B事業場においては1時間の時間外労働の次に、それぞれ、所定外労働の発生順に所定外労働時間を通算することとなります。
 詳しくは、以下の資料が参考になります。
副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A

2021.8.19医師の宿直義務の例外について教えてください。

 医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければなりませんが、当該病院の医師が当該病院に隣接した場所(注1)に待機する(患者の急変時に速やかに緊急治療を行えるよう、備えていることを指します)場合その他当該病院の入院患者の病状が急変した場合においても当該病院の医師が速やかに診療を行う体制が確保されている場として厚生労働省令で定める場合(病院の入院患者の病状が急変した場合においても当該病院の医師が速やかに診療を行う体制が確保されているものとして当該病院の管理者があらかじめ当該病院の所在地の都道府県知事に認められた場合⦅注2⦆)は、この限りではありません(但し、具体的な運用・解釈は自治体により異なりますので保健所等へご相談ください)。

(注1)隣接した場所とは、その場所が事実上当該病院の敷地と同一であると認められる場合であり、次の(ア)又は(イ)いずれかの場所を指します。
 (ア)同一敷地内にある施設(住居等)
 (イ)敷地外にあるが隣接した場所にある施設(医療機関に併設した老人保健施設等)
 ※ 公道等を挟んで隣接している場合も可。

(注2)「隣接した場所に待機する場合」に該当しない場合であっても、「速やかに診療を行う体制が確保されているもの」として当該病院の所在地の都道府県知事が認める際の具体的な基準については、以下のア~エを全て満たすものとされています。
 ア 入院患者の病状が急変した場合に、当該病院の看護師等があらかじめ定められた医師へ連絡をする体制が常時確保されていること。
 イ 入院患者の病状が急変した場合に、当該医師が当該病院からの連絡を常時受けられること。
 ウ 当該医師が速やかに当該病院に駆けつけられる場所にいること。
 (特別の事情があって、速やかに駆けつけられない場合においても、少なくとも速やかに電話等で看護師等に診療に関する適切な指示を出せること。)
 エ 当該医師が適切な診療が行える状態であること。
 (当該医師は適切な診療ができないおそれがある状態で診療を行ってはならない。)
 ※ なお、都道府県知事が認めた後に上記ア~エのいずれかの事項に変更があった場合は、再度都道府県知事の確認を要します。
第13回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料1-2 より)

2021.8.5今後、連携B・B・C-1・C-2水準の指定を申請することを予定していますが、これから医師の勤務実態の把握をするにあたり、①適切な労務管理の為に把握すべき事と、②労働時間の把握において留意すべき事について、簡単に教えてください。

 まず、①適切な労務管理の為に把握すべき事について、水準の検討、36協定の適切な締結も含めた労働基準法の遵守のために必要な項目として、例えば以下があります。
  • 主たる勤務先での労働時間
  • 副業・兼業先での労働時間(医師の自己申告で把握します)
  • 労働時間に該当する診療外業務の時間(研鑽、研究、教育等)
  • 「宿日直中」(主たる勤務先及び副業・兼業先を含む)の労働状況
  • 副業・兼業先の宿日直許可の有無
 また、休息の確保状況の把握のために必要な項目として、例えば以下があります。
  • 連続勤務時間
  • 勤務間インターバルの時間
 さらに、医師の労働時間短縮・勤務環境改善のために把握すべき項目として、例えば以下があります。
  • 休日(暦日で24 時間連続して勤務から解放されている日)の有無
  • 効率化や削減が可能な業務の時間
  • タスクシフト・タスクシェアが可能な業務の時間
 次に、②労働時間の把握において留意すべき事について、副業・兼業については、副業・兼業先の労働時間をあらかじめ把握する仕組みとするとともに、労働時間の実績を少なくとも月に1回は把握する仕組みがあるか、副業・兼業先の労働時間を含めた勤務計画となっているか、宿日直については、「宿日直許可のある宿日直」と「宿日直許可のない宿日直」とを区別して管理し、労働時間として正しい把握を行っているか、副業・兼業先の労働時間を含めた勤務計画となっている(副業・兼業先の宿日直許可の状況も把握し、時間を含めている)か、宿日直の時間の適切な取り扱いを行った上での勤務計画となっているか、研鑽については、医療機関において自己研鑽のルールを定めているか、労働ではない時間(主に自己研鑽)を把握することができるか、医師に対して、勤怠管理や当人が実施すべき内容(就業開始、退勤時刻の申告、時間外勤務の自己研鑽部分のルール確認等)について、少なくとも年に1回周知されているか、等があります。
こちらの資料が参考になります。

2021.7.26医療機関における宿日直許可の申請の流れについて教えてください。

 まず、申請前に以下をチェックします。

□ 申請を考えている宿日直中に従事する業務は、通常業務とは異なる、軽度又は短時間の業務である
□ 申請を考えている宿直業務は、夜間に十分な睡眠がとり得るものである
 □ ベッド・寝具など睡眠が可能な設備がある
□ 申請を考えている宿日直業務は、通常業務の延長ではなく、通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものである
 □ 始業・終業時刻に密着して行う短時間の業務態様ではない(4時間未満ではない)
□ 救急患者の診療等通常勤務と同態様の業務が発生することはあっても、稀である
□ 実際の宿日直勤務の状況が上記の通りであると医療機関内で認識が共有され、そのように運用されている(宿日直の従事者の認識も同様である)

 次に、労働基準監督署に、申請書(様式第10号)(原本2部)及び添付書類を提出します。
 申請対象である宿日直の勤務実態が、以下の条件を満たしていることを書面上で確認されます。
 対象業務は、
 ①通常の勤務時間から完全に解放された後のものであり
 ②宿日直中に従事する業務は、一般の宿日直業務以外には、特殊な措置を必要としない軽度または短時間の業務に限ること
 ③一般の宿日直の許可の条件(※)を満たしていること
 ④宿直の場合は十分な睡眠がとりうること等の条件を満たしていること
  (※)1.常態としてほとんど労働することがないこと
     2.通常の労働の継続ではないこと
     3.宿日直手当額が同種の業務に従事する労働者の1人1日平均額の3分の1以上であること
     4.宿日直の回数が、原則として宿直は週1回、日直は月1回以内であること
     5.宿直について相当の睡眠設備を設置していること
 そして、労働基準監督官による実地調査が行われます。
 宿日直業務に実際に従事する医師等へのヒアリングや、仮眠スペースの確認等を、原則として実地で行い、申請時に提出された書類の内容が事実に即したものかの確認が行われます。また、勤務実態の確認に必要な期間(個別の申請ごとに異なりますが、おおよそ直近数ヶ月間)の勤務記録の提出を求められます。
 書類審査、及び実地調査の結果、許可相当と認められた場合に宿日直許可がなされ、許可書が交付されます。
 (申請時に提出が必要な書類例)
宿日直当番表、宿日直日誌や急患日誌等、宿日直中に従事する業務内容、業務内容ごとの対応時間が分かる資料(電子カルテのログや急患日誌等を基に作成)、仮眠室等の待機場所が分かる図面及び写真、宿日直勤務者の賃金一覧表、宿日直手当の算出根拠がわかる就業規則等(※これらは標準的な例であり、実務上は監督官が調査に必要な範囲で提出を依頼)

こちらの資料が参考になります。

2021.6.15Q労働時間についてどのような管理が求められてますか。

労働時間管理については「労働時間の適正な把握 のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に詳細が記されており内容は以下のとおりとなっています。

使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録することと
 「使用者」とは使用者から労働時間を管理する権限の委譲を受けた者を含む。
 「労働者」とは労働基準法第41条に定める者(管理監督者)及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業 場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除く全ての者をいう。
 また当ガイドラインが適用されない労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者におい
 て適正な労働時間管理を行う責務がある。

(1) 原則的な方法
・ 使用者が、自ら現認することにより確認すること
・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録
 すること

(2) 例外的な方法(やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合)
・ 自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づ
く措置等について、十分な説明を行うこと
・ 自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著
しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
・ 使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならな
いこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを
守っているようにすることが、労働者等において慣習的に行われていないか確認すること。

このように適正に把握された労働時間をもとに、過重労働や未払い賃金の防止に取り組むことが求められて
います。

2021.2.26労働時間・休憩・休日に関する規定が適用除外になる、「監督若しくは管理の地位にある者」(労働基準法第41条第2号)の判断基準について教えてください。

 監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)とは、一般的には部長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、名称にとらわれず、実態で判断すべきものであるとされます。
 そして、部長、役員といった役職だけではなく、以下の基準を満たす者でなければ、管理監督者として労働時間、休憩、休日の規定の適用除外とはならないとされます。
 ① 経営者と一体的な立場といえる職務内容とそれに伴う責任や権限を与えられていること(出勤、退勤についても厳格な制限を受けないこと)
 ② 管理監督者としてふさわしい待遇がなされていること
 ③ スタッフ職の場合、経営上の重要事項に関する企画立案などの部門に配属され、ラインの管理監督者と同格に位置付けられている。また、ふさわしい待遇を受けていること

2020.11.16医師、看護師等の宿日直許可基準について教えてください。

そもそも、使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間は、手待時間として労働時間とみなされるのが原則です。
しかし、労働密度がまばらであり、労働時間規制を適用しなくとも必ずしも労働者保護に欠けることのない一定の断続的労働に従事するものについて、労働基準法上、労働基準監督署長の許可を受けた場合に労働時間規制を適用除外しています。
これは、通常の労働者と比較して労働密度がまばらであり、労働時間、休憩、休日の規定を適用しなくても、必ずしも労働者保護に欠けるところがないので、労働時間規制が適用除外となっています。但し、緊急の対応等を行った場合は、その時間は労働時間とされます。
そして、「断続的労働」の一態様である「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」については、所定労働時間外又は休日における勤務であって、労働者の本来の業務は処理せず、構内巡視、文書・電話の収受又は非常事態に備えて待機するもので、常態としてほとんど労働する必要のない勤務が許可の対象とされているところ(後述の※「一般的な」宿日直許可の基準(参考)を参照してください)ですが、医療法第16条の規定により「医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない」とされている関係から、医師・看護師等の本来業務であっても特定の軽易な業務については、宿日直勤務中に処理しても差し支えないこととなっています。
詳しくは、以下の二つの通達をご確認ください。
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/pdf/outline/pdf/5197674079eafb4e58810452e558f34d91450005.pdf

https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/pdf/outline/pdf/49fa4a893745eb8515bd9d3d3786ed6794314276.pdf

※「一般的な」宿日直許可の基準(参考)
一 勤務の態様
イ 常態として、ほとんど労働をする必要がない勤務のみを認めるものであり、定時巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可するものであること。
ロ 原則として、通常の労働の継続は許可しないこと。したがって、始業又は終業時刻に密着した時間帯に、顧客からの電話の収受又は盗難・火災防止を行うものについては、許可しないものであること。
二 宿日直手当
宿日又は日直の勤務に対して、相当の手当が支給されることを要し、具体的には、次の基準によること
イ 宿直勤務一回についての宿直手当(深夜割増賃金を含む。)又は日直勤務一回についての日直手当の最低額は、当該事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われる賃金(法第三十七条の割増賃金の基礎となる賃金に限る。)の一人一日平均額の三分の一を下らないものであること。ただし、同一企業に属する数個の事業場について、一律の基準により宿直又は日直の手当額を定める必要がある場合には、当該事業場の属する企業の全事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者について一人一日平均額によることができるものであること。
ロ 宿直又は日直勤務の時間が通常の宿直又は日直の時間に比して著しく短いものその他所轄労働基準監督署長が右イの基準によることが著しく困難又は不適当と認めたものについては、その基準にかかわらず許可することができること。
三 宿日直の回数
許可の対象となる宿直又は日直の勤務回数については、宿直勤務については週一回、日直勤務については月一回を限度とすること。ただし、当該事業場に勤務する18歳以上の者で法律上宿直又は日直を行いうるすべての者に宿直又は日直をさせてもなお不足でありかつ勤務の労働密度が薄い場合には、宿直又は日直業務の実態に応じて、週一回を超える宿直、月一回を超える日直についても許可して差し支えないこと。
四 その他
宿直業務については、相当の睡眠設備の設置を条件とするものであること。

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