労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

5. 働き方改革に関すること5. 働き方改革に関すること

2022.3.17医師間の業務整理及びタスク・シフト/シェアで特徴的な好事例はありますか。

 宿日直体制の見直しや、チーム制の導入/奨励のほか、病院総合医の配置があります。
 例えば、第15回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料4の、事例3-3では、「病棟に包括診療医を配置し、包括的な病棟マネジメントを実施。包括診療医は主治医と連携し、かつ多職種協働のチーム医療を推進・管理する要となっている。」という事例があります。

第15回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料4

2022.2.24追加的健康確保措置の面接指導実施医師には、産業医の資格があればなれますか。

面接指導実施医師については、長時間労働の面接指導に際して必要な知見に係る講習を受講して従事することになっており、産業医が面接指導実施医師になる場合も、必要な講習を受講していただく必要があります。

2021.12.272024年4月から医師にも時間外労働の上限規制が適用されますが、月の労働時間の限度100時間未満(例外あり)といったときの「(例外あり)」とは、何を指すのでしょうか。

患者数の急増等により、臨時的にやむを得ずある月の医療ニーズが多くなった場合等に「面接指導」「就業上の措置」を講ずることを条件に、例外として月100時間以上の時間外・休日労働を認めるというものです。
36協定において面接指導を行うこと等を定めた場合には、月100時間以上の時間外・休日労働をすることも可能ですが、原則はあくまでも月100時間未満ですので、先ずは時短に取り組んでいただくようお願いいたします。

2021.12.16タスク・シフト/シェアを、職種に関わりなく特に推進するものについて教えてください。

 職種毎の専門性に応じて、具体的には下記の項目のタスク・シフト/シェアを推進します。具体例としてヒアリングを踏まえた項目を記載していますが、その他の職種についても、それぞれの職種の専門性に応じて同様にタスク・シフト/シェアを推進します。
 なお、医療安全等の観点から、診療の補助に当たらないものについても、医師が適切に関与することが必要です。
①説明と同意
 具体的には、看護師や診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士等による検査等の説明と同意、薬剤師による薬物療法全般に関する説明、医師事務作業補助者や看護補助者による入院時の説明(オリエンテーション)、等
②各種書類の下書き・仮作成
 具体的には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションに関する書類の作成・所見の下書きの作成、医師事務作業補助者による診療録の代行入力、医師事務作業補助者による損保会社等に提出する診断書、特定疾患等の申請書、介護保険主治医意見書等の書類、入院診療計画書や退院療養計画書等診療報酬を算定する上で求められる書類、紹介状の返書などの書類の下書き、等
③診察前の予診等
 具体的には、看護師による診療前の問診や検査前の情報収集(病歴聴取・バイタルサイン測定・トリアージ、服薬状況の確認、リスク因子のチェック、検査結果の確認)、医師事務作業補助者の診察前の予診(医師が診察をする前に、診察する医師以外の者が予備的に患者の病歴や症状などを聞いておく行為)、等
④患者の誘導
 具体的には、看護補助者による院内での患者移送・誘導、診療放射線技師による放射線管理区域内への患者誘導、臨床工学技士の患者の手術室退室誘導、等

こちらの資料が参考になります。

2021.12.6タスク・シフト/シェアの具体的な推進方法について教えてください。

 担当職種の見直しを図ることにより一連の業務の効率化を促すことが重要です。
 全ての医療機関において、労働時間の短縮を進めるためにタスク・シフト/シェアに取り組む必要があります。
 まずは、医療従事者の意識改革・啓発として、管理者向けのマネジメント研修、医師全体に対する説明会の開催や、各部門責任者に対する研修、全職員の意識改革に関する研修等に取り組みます。
 特に、一部の職種のみ、あるいは管理者のみの意識改革ではタスク・シフト/シェアが容易に進まないことに留意する必要があります。
 加えて、医療従事者の技術の向上のために、研修等の機会を作ることが重要です。研修は座学のみでなくシミュレータ等を用いた実技も交え、医療の安全を十分確保できるよう、取り組む必要があります。
 さらに、医療機関でタスク・シフト/シェアされる側である医療従事者の余力の確保のために、ICT機器導入等による業務全体の縮減、現行担当している職種からその他の職種へのタスク・シフト/シェアの推進、一連の業務の効率化と現行担当職種の見直し等を不断に行う必要があります。
 また、安全性を担保しながら取組を進めるために、医療機関においてタスク・シフト/シェア後の事故報告を徹底する等の安全性確保を目的とした改善のための方策についても十分に講じる必要があります。

2021.11.18C-1水準の指定は、あくまでプログラム/カリキュラム内の医療機関における研修期間中の労働時間を年換算した場合に、年間の時間外・休日労働が960時間を超える場合に必要であって、そうでなければC-1水準の指定をとる必要はない。この認識で間違いないでしょうか。

 基本的な認識はご理解のとおりです。(ただし、勤務実態として年間の時間外・休日労働が960時間超となるような場合は、C-1水準の指定が必要になります。)

2021.8.27時間単位の年休を必要とする職員等が5日分取得した場合、新たに採用した職員などについて10日のうち5日を時季指定してしまうと、自由に所得できる年次有給休暇が無くなってしまうのではと苦慮しています。

確かに年次有給休暇が10日の職員等は5日の時季指定を行った残りの5日分の時間単位年次有給休暇を取得すると全ての年次有給休暇を取得することになります。しかしながら、年次有給休暇の5日の時季指定は職員等から聴取した意見に基づき行うものであること、職員等が自ら時期を指定して取得した年次有給休暇の日数分は時季指定から控除することができるということから対応できるとお考えください。

2021.8.12医師の働き方改革に向けた院内での取組について、例えばどのようなものがありますか。

 例えば、医師の働き方改革に取り組むことを院内に表明し、担当者を置いたり検討チームを立ち上げたりする等体制を整え、医師の労働時間の把握と現状分析を行い、目標や計画を立て、医師の働き方を変えていく具体的な取組を行うなどがあります。
 具体的な取組としては、短時間勤務医師や医師事務作業補助者、特定行為研修修了看護師や助産師の配置等のタスク・シフト/シェアの推進、宿日直の体制(宿日直許可の申請の検討や宿直免除申請の検討を含む)や分担の見直し(各科当直から複数診療科によるグループ当直の導入、オンコールの併用等)、交替(シフト)制勤務や変形労働時間制の導入、主治医制の見直し(主治医制から主治医チーム制、複数主治医制の導入)、土日祝日の病棟業務等は当番医で対応(必要に応じて主治医が対応)、法定休日(完全休日⦅オンコール含め業務対応が一切ない日⦆)を確保する体制の構築、カンファレンスの実施方法の見直し(カンファレンスの勤務時間内の実施やカンファレンス時間の短縮化⦅カンファレンスの目的を明らかにする、司会役を設ける、所要時間をあらかじめ設定する等⦆)、病状説明の勤務時間内の実施に関する患者周知の徹底、診療所との連携(紹介・逆紹介の活性化、診療所の開所日・時間拡大による救急対応の分散、開業医師による病院外来支援等)、ICTを活用した業務の見直し(情報共有ツールの導入、AI問診、音声入力等診療補助機器の導入等)、自己研鑽に関するルールの作成及び周知などがあります。

2021.7.21同一労働同一賃金の派遣労働者への講ずるべき措置とはどのようなことでしょうか

同一労働同一賃金への対応として、教育訓練・福利厚生・派遣料金・情報提供・派遣先管理台帳の5つの項目における措置です。
①同等の教育訓練の実施
職務に必要な技術や知識を獲得するための教育訓練は、同一の業務を行っている場合に、派遣労働者に対しても同等に実施することが義務付けられました。
②同等の福利厚生施設等の利用
事業所内にある給食施設や休憩室、更衣室などの福利厚生施設について、派遣先の通常の労働者と同等の利用を認められるようになりました。派遣労働者に対して福利厚生施設を使ってはいけないといった差別的な扱いは行ってはいけません。
また、施設だけでなく、福利厚生制度も派遣先の通常の労働者と同じように利用できる配慮が求められています。
③派遣料金の交渉における配慮
派遣先企業は、派遣元企業に対する派遣料金に配慮しなければなりません。均等・均衡な待遇確保に必要な額や労使協定による待遇を考慮し、適正な派遣料金を提示する必要があります。
④派遣元企業への情報提供の配慮
派遣先企業に求められる情報提供は、基本的に待遇を決定する段階で賃金に関わる情報のみです。ただ、今回の改正で派遣元企業からその他の情報の提供を求められた際に対応する配慮義務があります。
※例えば、待遇改善などのために、派遣先企業の労働者や派遣労働者の状況などを知りたいという申し出があれば、対応する必要があります。
⑤派遣先管理台帳の追加事項
派遣労働者ごとに、協定対象派遣労働者であるか否か、派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度を派遣先管理台帳に追加記載しなければなりません。

2021.7.15「均衡待遇」が求められる場合、取組対象労働者(短時間労働者及び有期雇用労働者)の待遇と比較対象労働者(通常の労働者)の待遇に違いがある場合に、その違いは不合理な待遇差であってはならないため、不合理な待遇差であるか否かについて点検・検討する必要があるようですが、その点検・検討の「基本手順」を教えてください。

 不合理な待遇差を点検し、対応策を検討する手順は、基本的には、以下の流れになります。
 ①比較対象労働者との間に違いがある個々の待遇の「性質・目的」を明らかにします。
  ・なぜ、その待遇に関する制度を設けたのか
  ・どのような事象に対してその待遇を支給・付与することとしているのか
  ・その待遇を労働者に支給・付与することにより、どのような効果を期待しているか
  といった観点等から、「性質・目的」の内容を明らかにすることが必要です。
 ②手順①で明らかにした待遇の「性質・目的」を踏まえ、待遇に関連する考慮要素は、3考慮要素の中のどれに当たるかを判断します。
  ※待遇の「性質・目的」によっては、3考慮要素の中で複数の要素が関連する場合があります。
  ※3考慮要素とは、「職務の内容」、「職務の内容・配置の変更の範囲」、「その他の事情」です。
 ③手順②で判断をした「考慮要素」に基づき、「違い」が生じている理由を整理し、「違いが不合理ではない」といえるか否かを確認します。
(留意点)
 比較対象労働者と取組対象労働者との間で、待遇に関する決定基準を異なるものとすることは、パートタイム・有期雇用労働法では禁止されていません。例えば基本給について、正職員は能力に応じて支給する職能給、パート職員は職務の内容に応じて支給する職務給というように決定基準を異なるものとしている事例も多く見られます。
 しかしながら、決定基準が異なっているのであれば、そのことが、「職務の内容」、「職務の内容・配置の変更の範囲」、「その他の事情」の3考慮要素に基づいて、不合理でないと説明できることが必要です。
 単に「パートだから」とか、「将来の役割期待が異なるので」といった、主観的・抽象的な説明では、不合理でないことを説明するには不十分です。
 また、不合理な待遇差であるか否かは、個々の待遇ごとに判断することが基本ですが、ある待遇が他の待遇との関係で決まっている場合には、それも考慮される場合があります。ただし、その理由について客観的・具体的に説明できるようにしておくことが必要であり、労使で認識を共有しておくことが望ましいです。

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