労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

①いじめ・ハラスメント等3. 職場の環境整備に関すること

2021.2.22事業主が、職場におけるパワーハラスメントを防止するために講ずべき措置について教えてください。

 令和2年6月から、雇用管理上の必要な措置を講ずることが義務(中小医療機関等については令和4年3月までは努力義務)となりましたが、まず、事業主の方針の明確化及びその周知・啓発として、パワーハラスメントの内容、及びパワーハラスメントを⾏ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発することが必要です。また、パワーハラスメントの⾏為者については厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発することも必要です。
 次に、相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備として、相談窓⼝をあらかじめ定めて労働者に周知すること、相談窓⼝担当者が内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること、パワーハラスメントが現実に生じている場合だけでなく発生のおそれがある場合やパワーハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても広く相談に対応することが必要です。
 さらに、職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応として、事実関係を迅速かつ正確に確認すること、事実関係の確認ができた場合には速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に⾏うこと、事実関係の確認ができた場合には⾏為者に対する措置を適正に⾏うこと、再発防止に向けた措置を講ずることが必要です。
 そして、併せて講ずべき措置として、相談者・⾏為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じて労働者に周知することが必要なほか、事業主に相談したこと、事実関係の確認に協⼒したこと、都道府県労働局の援助制度を利⽤したこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定めて労働者に周知・啓発することが必要です。
 なお、以上のほかに、望ましい取組もあります。
 こちらのパンフレットが参考になります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf

2021.1.26職場におけるパワーハラスメントの定義について教えてください。

 職場における「パワーハラスメント」とは、職場において行われる① 優越的な関係を背景とした言動であって、② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③ 労働者の就業環境が害されるものであり、①~③までの要素を全て満たすものをいいます。
 客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、②の要素を満たさないため、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
 「職場」とは、事業主が雇⽤する労働者が業務を遂⾏する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂⾏する場所であれば「職場」に含まれます。勤務時間外の「懇親の場」、社員寮や通勤中などであっても、実質上職務の延⻑と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加や対応が強制的か任意かといったことを考慮して個別に⾏う必要があります。
 「労働者」とは、いわゆる正規雇⽤労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などいわゆる非正規雇⽤労働者を含む、事業主が雇⽤する全ての労働者をいいます。また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先事業主)も、自ら雇⽤する労働者と同様に、措置を講ずる必要があります。
 ①「優越的な関係を背景とした」⾔動とは、業務を遂⾏するに当たって、当該言動を受ける労働者が⾏為者とされる者(以下「⾏為者」という。)に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が⾼い関係を背景として⾏われるものを指します。
 ②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」⾔動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、⼜はその態様が相当でないものを指します。
 この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題⾏動の有無や内容・程度を含む当該言動が⾏われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性((例)経験年数や年齢、障害がある、外国⼈である 等)や心⾝の状況((例)精神的⼜は⾝体的な状況や疾患の有無 等)、⾏為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当です。
 また、その際には、個別の事案における労働者の⾏動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。なお、労働者に問題⾏動があった場合であっても、⼈格を否定するような言動など業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動がなされれば、当然職場におけるパワーハラスメントに当たり得ます。
 ③「労働者の就業環境が害される」とは、当該言動により、労働者が⾝体的⼜は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったために能⼒の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
 この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会⼀般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当です。
 なお、言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い⾝体的⼜は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。
 職場におけるパワーハラスメントは、①から③までの要素を全て満たすものをいい、個別の事案について職場におけるパワーハラスメントの該当性を判断するに当たっては、②で総合的に考慮する事項のほか、当該言動により労働者が受ける⾝体的⼜は精神的な苦痛の程度等を総合的に考慮して判断することが必要です。
 このため、個別の事案の判断に際しては、相談窓⼝の担当者等がこうした事項に⼗分留意し、相談を行った労働者(以下「相談者」という。)の心⾝の状況や当該言動が⾏われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、相談者及び⾏為者の双方から丁寧に事実確認等を⾏うことも重要です。
 これらのことを⼗分踏まえて、予防から再発防止に⾄る⼀連の措置を適切に講じることが必要です。
 こちらのパンフレットが参考になります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf

2020.10.8パワハラ防止法について教えてください。

 法律において初めてパワハラが規定されました「改正労働施策総合推進法」。パワーハラスメント防止を企業に義務付けることが決まり、令和2年6月から、雇用管理上の必要な措置を講ずることが義務となります。中小医療機関については令和4年4月からとなり、それまでは努力義務となります。特に罰則は定義されていませんが、必要に応じて事業主に対して助言・指導・勧告が行われ、それに従わない場合は企業名が公表される可能性がありますので注意が必要です。
 パワハラは、いくつか発生してしまう要因が存在し(加害者側・被害者側)、防止するためには様々な取り組みのポイントがあります。院長等のトップからのメッセージ、就業規則や社内規定に文書で示し周知を行い、相談窓口を設置・紹介してアンケート等を実施、教育のための研修などといった取り組みが必要です。医療勤務環境改善支援センターでは具体的な取組みを進めるための助言・派遣指導も行っておりますのでご活用ください。

2020.9.17いじめやハラスメント、職員間暴力を防ぐためには、職場でのコミュニケーションを活性化させることが大切だと考えますが、そのための取組みとして、フィッシュ哲学を取り入れている病院があると聞きました。それについて簡単に教えてください。

フィッシュ哲学とは、①遊び心を取り入れる、②人を喜ばせる、楽しませる、③相手に注意を向ける、④態度を選ぶ、の4つの原理をもつ概念です。アメリカのシアトルにある魚市場発祥の概念であることから「フィッシュ哲学」と称されました。
フィッシュ哲学の概念を看護現場に取り入れた結果、離職率の低下、新人看護師の定着率の向上、職務満足度の向上、患者苦情相談件数の減少、職場内のコミュニケーションの活性化、人間関係が良好になったことが報告されています。
職場が活気にあふれるような遊び心を取り入れ、同僚等に対してエネルギッシュな楽しい雰囲気で接し、人が自分を必要としている瞬間を逃さぬように気を配り、ポジティブな姿勢で出勤するようにすることが、イキのいい職場へのコツのようです。
パワーハラスメント防止対策の法制化・パワーハラスメント防止措置等の実施義務の創設等の法改正(令和2年6月1日施行(中小医療機関等については令和4年3月31日までは努力義務))がなされるなか、参考になる概念といえそうです。
(参考文献 『医療機関における暴力対策ハンドブック』中外医学社)

2020.8.20新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により妊娠中の女性労働者が休業する場合、どのような支援があるのでしょうか。

令和2年5月7日から同年12月31日までの間に新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師または助産師の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備し、当該有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容とあわせて労働者に周知した事業主であって、令和2年5月7日から令和3年1月31日までの間に当該休暇を合計して5日以上取得させた事業主に対して、対象労働者1人当たり有給休暇計5日以上20日未満:25万 *1事業所当たり20人まで以降20日ごとに15万円加算(上限額:100万円)が助成されます。申請期間は令和2年6月15日から令和3年3月1日までとなっております。
支給要件の詳細や具体的な手続、支給申請書のダウンロードはこちらから
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11686.html)お願いします。

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