鹿児島県医療勤務環境改善センター

医療機関の管理者の皆様へ
医療機関の働きやすい環境に向けた勤務環境改善のために当センターをご活用ください 

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労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

①その他の労務管理6. その他の労務管理Q&A

2022.2.14医師事務作業補助者や看護補助者等が入職後に定着していくために何か役立つ資料等はありませんか。

医療専門職支援人材が入職後に定着していくために必要だと思われる事項等を掲載した手引書と、管理者層や医療専門職支援人材本人向けのe-learning教材などが、いきサポに掲載されています。

こちらから。

2022.2.14医師事務作業補助者や看護補助者等の人材確保に関して何か役立つ資料等はありませんか。

いきサポに、医師事務作業補助者や看護補助者の職種を紹介するPR動画やポスター・リーフレット、医療専門職支援人材の確保に向けたハローワークにおける効果的な求人票の書き方マニュアルがあります。

こちらから。

2021.11.4医師には、応召義務があるため、⻑時間労働はやむを得ないのではないでしょうか。

 医師については、応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要であることが従来から指摘されていました。応召義務は実態として職業倫理・規範として機能し、純粋な法的効果以上に医師個人や医療界にとって大きな意味を持ち、医師の過重労働につながってきた側面も指摘されています。
 しかし、応召義務については、医師が国に対して負担する公法上の義務であり、医師個人の⺠刑事法上の責任や医療機関と医師の労働契約等に法的に直接的な影響を及ぼすものではなく、医療機関としては労働基準法等の関係法令を遵守した上で医師等が適切に業務遂行できるよう必要な体制・環境整備を行う必要があり、違法な診療指示等に勤務医が従わなかったとしても、それは労働関係法令上の問題であって応召義務上の問題は生じないと解されています。
 こうしたことから、応召義務があるからといって、医師は際限のない⻑時間労働を求められていると解することは正当ではないとされています。

2021.9.21採用選考にあたり留意すべき点を教えてください。特に、面接時に応募者の過去の病歴や健康状態(既往歴)などを質問してはいけませんか?

1.採用選考は、応募者の基本的人権を尊重し、また応募者の適性、能力のみを基準として行わなければなりません。そのため、家族状況や生活環境など、応募者の適性、能力に関係のない事柄について、エントリーシートに記入させたり、面接で質問することは禁じられています。具体的には、下記項目が禁止事項となります。
<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

2.次に、「応募者の病歴や健康状態(既往歴)」についてですが、採用面接における質問の禁止事項にはあたりません。しかし、応募者の過去の病歴や健康状態(既往歴)について、面接で質問をすることや採用合否の基準として用いることが一般的に許容されるのは「業務に必要な範囲に限定する」場合に限られます。業務に必要な範囲を超えて、過去の病歴や健康状態(既往歴)や、感染しない病気について質問することは禁止されています。HIVやB型・C型肝炎などの感染情報についても、業務に影響しない場合は個人情報を取得すべきではない、というのが一般的な考え方です。
業務遂行可否や業務遂行上のリスクを把握するために必要な質問であることを応募者に伝え、本人の同意を得た上で病歴を聞く、といった場合は問題ないと考えられますが、利用目的は採用選考に限定し、その旨も応募者に伝える必要があります。非常にナイーブな問題で、かつ応募者のプライバシーにも関わりますから、質問の意図を応募者に丁寧に説明し、いきなり口頭で聞くのではなく、チェックシートを活用するなどして、応募者に不快な思いをさせないよう配慮した方がよいでしょう。なお、取得した個人情報は、必要最小限の人事採用関係者のみ閲覧を許可する、パスワードを設定する、プリンタ出力やデータの持ち出しを不可にするなど、厳重な管理体制を整えることが求められます。

2021.8.4許可を受けていない職員のマイカー通勤のケガは通勤災害となるのでしょうか。

合理的な経路上であり、合法的な方法をとっている際に発生したものでなければ通勤災害は認められません。合理的な方法とは、住居と就業場所の間を往復する際に、一般に職員が用いると認められる手段をいい、その職員が平常用いていたか否かにかかわらず「一般的に合理的な方法」をいいます。
例えば、いつもは電車通勤している従業員が、たまたまマイカー通勤しても、これを通常の通勤方法ではない、つまり合理的な方法ではないと言うことはできません。マイカー通勤は一般に通常用いられている方法であり、合理性を否定する理由がありません。
したがいまして、マイカー通勤の許可を得ず、また、規則に違反していたとしても、就業に関しては合理的な経路によっている限り通勤災害となります。
通勤災害の認定と規則違反は全く別であり、”規則違反=通勤災害にはならない”というものではありません。
規則違反と通勤災害は別のものと考えてください。

2021.7.20いわゆる子育て世代の労働者が多いのですが、仕事と家庭の両立支援についてどのように取り組めばいいでしょうか。

仕事と家庭の両立支援については法律として育児介護休業法があります。

ただ制度はあっても制度をよく理解できていない、誰も制度利用したことがない場合などはまず制度理解と、職場風土づくりからはじめることが重要です。
これまで育児休業、介護休業を取得した労働者がいない事業所については、両立支援等助成金を活用した取り組みがおすすめです。
この助成金は育児休業取得促進のための「育児休業等支援コース」や男性の育児休業取得促進のための「出生時両立支援コース」、介護休業取得促進のための「介護離職防止支援コース」があります。
コースにより要件は違いますが、「育児休業等支援コース」の場合、要件として職場風土づくりや面談(制度説明や制度利用の希望聴取等)、育休復帰プランによる業務整理や引継ぎの実施等について時系列に取組む必要があります。
このように助成金の要件となる取組みについて制度説明や職場風土づくり等が含まれるため、助成金を活用しながら仕事と家庭の両立支援につなげることもお勧めします。

その他両立支援としてもおすすめなのが、年次有給休暇の時間単位制度導入です。
子の看護休暇や介護休暇も時間単位で制度利用できますが、特に子の看護休暇は法定では子が小学校就学前までとなっていますので、就学後のPTA等行事に活用であれば
年次有給休暇の時間単位制度がおすすめです。
詳しくはQ&Aの「年次有給休暇」に時間単位年休の制度導入について詳しく説明があります。
時間単位年休により、学校行事参加や病院通院等もしやすくなります。

特に医療分野は新たな人材確保が難しい状況かと思いますので、今働いている労働者が定着するよう、両立支援に取組んではいかがでしょうか。

2021.6.8育児休業の対象労働者について教えてください。

「育児休業」をすることができるのは、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者です。ただし、日々雇い入れられる労働者は除かれます。
期間を定めて雇用される労働者は、次のいずれにも該当すれば育児休業をすることができます。
①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
②子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
また、労使協定で定められた一定の労働者も育児休業をすることはできません。

要件を満たした育児休業の申出により労働者の労務の提供義務は消滅し、事業の繁忙や経営上の理由等により事業主が労働者の休業を妨げることはできません。

2021.6.8労使協定で育児休業の対象から除外されるのは、どのような労働者ですか?

事業主は、要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒むことはできませんが、次のような労働者について育児休業をすることができないこととする労使協定があるときは、事業主は育児休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は育児休業をすることができません。
①その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
②その他育児休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者

上記②の「育児休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者」とは、次のいずれかの場合をいいます。
①育児休業申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
②1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

なお「労使協定」とは、事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定のことをいいます。

2021.6.8採用したばかりの労働者から、妊娠の報告がありました。産休や育休を取得させなければなりませんか?辞めてもらうことは可能ですか?

妊娠・出産等に係る法律は多岐に及びます。ここでは、労働基準法65条や育児介護休業法、男女雇用機会均等法に絞ってご説明します。
労基法65条では、6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性が休業を請求した場合は、その者を就業させてはならず、また、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないことが定められています。
また、育児・介護休業法に定める育児休業等は、法に基づく一定範囲の有期契約労働者や、労使協定で除外できる一定の労働者を除き、労働者から請求があれば与えなければなりません。
さらに男女雇用機会均等法第9条3項では、女性労働者の妊娠・出産等厚生労働省令で定める事由を理由とする解雇その他不利益取扱いを禁止しています。また、育児・介護休業法第10条等では、育児休業等の申し出・取得等を理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止しています。これらの不利益取扱いの判断要件となっている「理由として」とは、妊娠・出産・育児休業等の事由と不利益取扱いとの間に「因果関係」があることを指します。妊娠・出産・育児休業等の事由を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、原則として「理由として」いる(事由と不利益取扱いとの間に因果関係がある)と解され、法違反となります。
※原則として、妊娠・出産・育児休業等の事由の終了から1年以内(ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても、実施時期が事前に決まっている、又は、ある程度定期的になされる措置(人事異動、人事考課、雇止めなど)については、事由の終了後の最初の当該措置の実施までの間)に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断されます。

したがって、採用したばかりの労働者であっても、除外事由に該当しない限り育児休業等の請求があれば与えなければなりませんし、解雇等不利益取扱いもしてはいけません。
また、実際に解雇等を行わないとしても、労働者が制度等を利用する(利用しようとする、利用した)ことや、妊娠・出産したこと等に関して、解雇等不利益な取り扱いを示唆する等の言動により労働者の就業環境が害されることがあれば、ハラスメントと解される可能性があります。
報告を受けたら、妊娠を祝う温かい言葉と前向きな態度で接し、利用できる社内制度について説明のうえ、今後の働き方について本人の意向を確認するようにしましょう。

2021.6.8働く女性の母性健康管理に関する制度について教えてください。

男女雇用機会均等法では、事業主の義務として働く妊産婦の母性健康管理について次のように定めています。
1.事業主は、女性労働者が妊産婦のための保健指導又は健康診査を受診するために必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。
①妊娠中の健康診査等回数(原則)
妊娠23週まで ・・・・・・・4週間に1回
妊娠24週から35週まで・・・2週間に1回
妊娠36週以後出産まで ・・・1週間に1回
※ただし、医師等がこれと異なる指示をしたときは、その指示に従って必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。
②産後(出産後1年以内)、医師等の指示に従って必要な時間
2.妊娠中及び出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、 その女性労働者が、受けた指導事項を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければなりません。
指導事項に応じた措置には次のようなものが考えられます。
①妊娠中の通勤緩和 → 時差通勤、勤務時間の短縮等の措置
②妊娠中の休憩 → 休憩時間の延長、休憩回数の増加等の措置
③妊娠中又は出産後の症状等への対応 → 作業の制限、勤務時間の短縮、休業等の措置

あわせて労働基準法では、女性労働者の母性保護のため次のように定めています。
◆産前は女性が請求した場合は、6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できます。
◆産後は原則として出産の翌日から8週間、女性を就業させることはできません。ただし、産後6週間経過後に、本人が請求し、医師が認めた場合は就業できます。
◆妊娠中の女性が請求した場合は、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
◆妊産婦等については、妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。
◆変形労働時間がとられる場合でも、妊産婦が請求した場合は、1日8時間及び1週間について40時間を超えて労働させることはできません。
◆妊産婦が請求した場合は、時間外労働、休日労働及び深夜業をさせることはできません。
◆生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求することができます。

健康診査等受診の時間や勤務時間の短縮、休憩、休業など、実際に勤務しなかった時間分の賃金については、就業規則等に明確に定めておくことが望まれます。
妊娠中及び出産後の女性労働者が医師等から受けた指導内容や、職場で講じるべき措置の内容について、的確に把握するためのツールとして、母性健康管理指導事項連絡カードをご活用ください。https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm

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