労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

1. 労働時間管理に関すること②勤務時間・休日・休憩・勤務シフト

2020.12.2オンコールが労働時間にあたるのか等オンコールの取扱いについて教えてください。

 まず、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たります(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定))。
 そして、オンコール待機中に実際の診療が発生した場合、当該診療に従事する時間は労働時間に該当します。
 オンコール待機時間全体が労働時間に該当するかどうかについては、オンコール待機中に求められる義務態様によって判断する必要があります。
 オンコール待機中に求められる義務態様は、医療機関ごと、診療科ごとに様々であり、呼び出しの頻度がどの程度か、呼び出された場合にどの程度迅速に病院に到着することが義務付けられているか、呼び出しに備えてオンコール待機中の活動がどの程度制限されているか等を踏まえ、オンコール待機時間全体について、労働から離れることが保障されているかどうかによって判断するもので、個別具体的に判断されるものです。

2020.11.26医療機関における労働時間制度の活用についてどのようなものがありますか。

医療機関で活用される労働時間制度については、
(1)通常の労働時間制度における交代制勤務(2交代制、3交代制)
(2)1ヶ月単位の変形労働時間制
をとる方法が一般的です。

(1)「通常の労働時間制制度における交代制勤務(2交代制、3交代制)」とは、法定労働時間(原則として1日8時間、1週40時間。但し、常時10名未満の労働者を使用する保健衛生業の場合は1日8時間、1週44時間。)を前提として、あるいはこれに36協定を導入した上で、その範囲内において、変形労働時間制をとることなく、1日の始業時刻・終業時刻を2区分や3区分し、設定する方法です。
例として、午前7時から午後3時まで、午後3時から午後11時まで、午後11時から午前7時までの勤務の3交代制などです。

(2)「1ヶ月単位の変形労働時間制」とは、労使協定または就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより1ヶ月以内の一定期間(単位期間)を平均して1週当たりの労働時間が40時間(常時10名未満の労働者を使用する保健衛生業の場合は44時間)におさまる場合であれば、単位期間の特定の日または週について、1日もしくは1週の法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

1か月単位の変形労働時間制の詳細(運用の手順、給与計算)については厚生労働省のリーフレットを参照ください。

2020.11.19医師の研鑽の労働時間該当性を明確化するための手続、及びその適切な運用を確保するための環境の整備について教えてください。

 まず、医師の研鑽について、業務との関連性、制裁等の不利益の有無、上司(業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者)の指示の範囲を明確化する手続を講じます。
 例えば、医師が労働に該当しない研鑽を行う場合には、医師自らがその旨を上司に申し出ることとし、当該申出を受けた上司は、当該申出をした医師との間において、当該申出のあった研鑽に関し、①本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理のいずれにも該当しないこと、②当該研鑽を行わないことについて制裁等の不利益はないこと、③上司として当該研鑽を行うよう指示しておらず、かつ、当該研鑽を開始する時点において本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理は終了しており、本人はそれらの業務から離れてよいこと、について確認を行うことが考えられます。
 なお、上司は、業務との関連性を判断するに当たって、初期研修医、後期研修医、それ以降の医師といった職階の違い等の当該医師の経験、担当する外来業務や入院患者等に係る診療の状況、当該医療機関が当該医師に求める医療提供の水準等を踏まえ、現在の業務上必須かどうかを対象医師ごとに個別に判断します。
 手続は、労働に該当しない研鑽を行おうとする医師が、当該研鑽の内容について月間の研鑽計画をあらかじめ作成し、上司の承認を得ておき、日々の管理は通常の残業申請と一体的に、当該計画に基づいた研鑽を行うために在院する旨を申請する形で行うことも考えられます。また、労働に該当しない研鑽を行おうとする医師が、当該研鑽のために在院する旨の申し出を、一旦事務職が担当者として受け入れて、上司の確認を得ることとすることも考えられます。
 次に、これらの手続について、その適切な運用を確保するために次の措置を講ずることが望ましいとされます。
(ア)労働に該当しない研鑽を行うために在院する医師については、権利として労働から離れることを保障されている必要があるところ、診療体制には含めず、突発的な必要性が生じた場合を除き、診療等の通常業務への従事を指示しないことが求められる。また、労働に該当しない研鑽を行う場合の取扱いとしては、院内に勤務場所とは別に、労働に該当しない研鑽を行う場所を設けること、労働に該当しない研鑽を行う場合には、白衣を着用せずに行うこととすること等により、通常勤務ではないことが外形的に明確に見分けられる措置を講ずることが考えられること。手術・処置の見学等であって、研鑚の性質上、場所や服装が限定されるためにこのような対応が困難な場合は、当該研鑚を行う医師が診療体制に含まれていないことについて明確化しておくこと。
(イ)医療機関ごとに、研鑽に対する考え方、労働に該当しない研鑽を行うために所定労働時間外に在院する場合の手続、労働に該当しない研鑽を行う場合には診療体制に含めない等の取扱いを明確化し、書面等に示すこと。
(ウ)上記(イ)で書面等に示したことを院内職員に周知すること。周知に際しては、研鑽を行う医師の上司のみではなく、所定労働時間外に研鑽を行うことが考えられる医師本人に対してもその内容を周知し、必要な手続の履行を確保すること。また、診療体制に含めない取扱いを担保するため、医師のみではなく、当該医療機関における他の職種も含めて、当該取扱い等を周知すること。
(エ)医師本人からの申出への確認や当該医師への指示の記録を保存すること。なお、記録の保存期間については、労働基準法第109条において労働関係に関する重要書類を3年間保存することとされていることも参考として定めること。

詳しくは、以下の二つの通達をご確認ください。
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/8409f492f42ad468a0c15b1e2e6c6c56900ab1c3.pdf

https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/49fa4a893745eb8515bd9d3d3786ed6794314276.pdf

2020.11.9医師の研鑽の労働時間該当性に関する考え方等について教えてください。

 まず、所定労働時間内において、医師が、使用者に指示された勤務場所(院内等)において研鑽を行う場合については、当該研鑽に係る時間は、当然に労働時間となります。
 他方、所定労働時間外に行う医師の研鑽は、診療等の本来業務と直接の関連性なく、かつ、業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者(以下「上司」という。)の明示・黙示の指示によらずに行われる限り、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しません。
 しかし、当該研鑽が、上司の明示・黙示の指示により行われるものである場合には、これが所定労働時間外に行われるものであっても、又は診療等の本来業務との直接の関連性なく行われるものであっても、一般的に労働時間に該当するものとなります。
 詳しくは、以下の二つの通達をご確認ください。
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/8409f492f42ad468a0c15b1e2e6c6c56900ab1c3.pdf

https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/49fa4a893745eb8515bd9d3d3786ed6794314276.pdf

2020.10.8「所定労働時間」(就業規則)と「病棟勤務時間数」(診療報酬算定:様式9)の考え方について教えてください。

 例えば、日勤時間帯を「9:00~17:00」、夜勤時間帯を「17:00~9:00」とします。
 夜勤時間帯は、労働基準法上の深夜業の「22:00~5:00」を含む時間帯となります。

〇始業時刻が8:30、終業時刻が17:00(休憩60分)の場合
・就業規則上の所定労働時間:7時間30分
・様式9の病棟勤務時間数:8時間30分、日勤帯勤務時間数:8.0時間、夜勤帯勤務時間数:0.5時間
となります。

〇始業時刻が12:30、終業時刻が21:00(休憩60分)の場合
・就業規則上の所定労働時間:7時間30分
・様式9の病棟勤務時間数:8時間30分、日勤帯勤務時間数:4.5時間、夜勤帯勤務時間数:4.0時間
となります。

 休憩や仮眠に充てた時間は病棟勤務時間数に含みますが、
 カンファレンス会議や法令研修以外の研修など病棟外での活動は勤務時間数に含みません。

 労働基準法では所定労働時間が基準になりますので、両者の違いを理解し、
 どちらにおいても基準を満たすようにご注意ください。
 

2020.9.10祝日に働かせたら休日割増賃金を支払わなければなりませんか?

 労働基準法では、休日は、週1日あるいは4週を通じて4日与えなければならず(法定休日)、
この法定休日に労働させる場合は36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要です。
 法定休日以外の休日であり、労働を免除された日であり、労働させた場合は、その分の賃金(割
増賃金は不要)の支払いが必要となります。

2020.9.10台風による休業でも休業手当が必要ですか?

労働基準法第26条は、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中、労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」と規定しています。 「使用者の責に帰すべき事由による休業」とは、使用者が、休業になることを避けるため社会通念上最善の努力をしたかどうか、によって判断されることになります。通常、不可抗力による場合以外は、使用者の責に帰すべき事由に該当すると考えられます。 
具体的には、天災地変の場合や、休電による場合などは、使用者の責めに帰すべき休業とはなりません。台風など、天災地変による不可抗力の場合は、休業手当を支払う必要はありません。この場合、年次有給休暇への振替も考えられますが、強制ではなく、あくまで本人の申し出ないしは、希望により振り替える必要があります。

2020.9.10労働時間について教えてください。

従業員の労働時間は、労働基準法によって制限が規定されています。
1日の労働時間は、8時間まで。1週間の労働時間は40時間までです。
1日の労働時間が6時間を超え8時間以下であれば、45分以上の休憩時間を取らせなければなりませんし。8時間を超えれば60分以上の休憩時間を労働時間の途中でとらせなければなりません。1日または1週間の労働時間の上限を超える場合、労使協定(事業主と労働者代表との書面による協定)を締結しなければなりません。

2020.9.10「休日振替」と「代休」は違うと言われましたが、どう違うのですか?

 「休日振替」とは、あらかじめ休日と定められた日を別の日に振り替え、その代わりに、あらかじめ休日と定められていた日を労働日(出勤日)とすることです。このように、事前に休日振替をした場合は、本来の休日と労働日を入れ替えたことにより、休日労働としての割増賃金の対象にはなりません。(なお、振替を行った結果、新たに労働日となった週において、法定労働時間を超えることとなった場合は、時間外労働としての割増賃金を支払う必要が生じる場合があります。)
 
 「代休」とは、休日労働をさせた後で、その休日労働の代わりに、他の労働日の勤務を免除するものです。「代休」の場合は、休日振替と異なり、事前に休日を労働日とする手続きが採られていないため、その日はあくまで休日のままで、その日に労働させることは休日労働となり、割増賃金の対象となります。

2020.9.10「休日労働」とはどのような場合ですか?

「休日」とは、事業主と従業員との間での労働契約において労働の義務のない日をいいます。労働基準法では、休日は最低1週1日、または4週4日与えなければなりません。
このように労働基準法で定められた休日を「法定休日」といいます。
「休日労働」とは、「法定休日」に従業員に労働させることをいいます。
たとえば、毎週日曜日が事業所での法定休日とすると、週休2日制で土曜日も休日だとしても、日曜日の勤務は「休日労働」ですが、土曜日の勤務は「休日労働」ではない、ということになります。
「休日労働」をさせた場合の割増賃金は労働基準法で35%と決められていますので、
上記の場合は、日曜日に勤務した場合は35%の割増賃金の支払いが必要ですが、
土曜日の休日に勤務した場合は35%の割増賃金の支払いは不要です。しかし、土曜日の休日に勤務した結果、週40時間を超える場合は「時間外労働」となり、25%の割増賃金が必要となります。

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