労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

1. 労働時間管理に関すること①時間外労働

2021.2.252021年4月からの新しい36協定の様式について教えてください。

36協定届(時間外・休日労働に関する協定届)が新しくなります。
36協定届における押印・署名の廃止
労働基準監督署に届け出る36協定届について、使用者の押印及び署名が不要となります。
記名はしていただく必要があります。
注意点
36協定の締結には、労使で合意したうえで労使双方の合意がなされたことが明らかと
なるような記名押印又は署名などの方法が必要になります。
36協定の内容を36協定届に記入し労働基準監督署に届出を行ってください。
36協定書と36協定届を兼ねる場合は記名押印・署名などが必要です。
36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設
36協定の適正な締結に向けて、労働者代表についてのチェックボックスが新設されます。
(労働者代表:事業場における過半数代表者または過半数労働組合)
注意点
過半数代表者の選任にあたっては、管理監督者・使用者の意向に基づいて選出された者でないことや
36協定を締結する者を選出することを明らかにした上で、投票挙手等の方法で選出することが求められます。
病院の利益を代表する管理者等は該当しないのでご注意ください。
(「Q2020.10.14 36協定は誰と結べばいいのですか」参照)
●●届出後、見やすい場所への掲示や書面等の交付により周知させましょう。
●●電子申請による届出が可能です。
・36協定届様式のダウンロード 【「労働基準関係主要様式」検索】
・そのまま出せる36協定届を作成【「スタートアップ労働条件」検索】
・36協定の電子申請はこちら 【「労基法等 電子」検索】

2021.1.14時間外労働・休日労働についての労働基準法のきまりと罰則はどのようなものですか

労基法は労働時間について1日8時間、1週40時間の原則を定め(労基法32条)、休日については毎週1日を与えなければならないと定めています。(労基法35条1項)これらに違反した場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が予定されています。(労基法119条1項)
但し、事業場で労使が時間外休日労働に関する労使協定(36協定)を締結していた場合には、36協定で定める時間外労働時間数や休日労働の日数の限度内で、労働させることは可能です。しかし、それを超えて時間外労働をさせたり、休日労働をさせた場合、上記刑罰が適用されることとなります。
平成30年に改正された労基法36条6項で、新たな規制が加わりました。これは、36協定の限度時間や特別条項の上限とは別に、労働者個人の時間外・休日労働時間数が100時間以上となった場合にも、労基法119条1項の違反となります。

2020.12.1136協定の「特別条項」とはどういうものしょうか。どんな手続きが必要ですか。

時間外労働の上限について、大企業は2019年4月以降、中小企業は2020年4月以降の協定から法律上、原則として月45時間・年360時間となりました。(医師については2024年(令和6年)3月31日までの間は、適用されません)

但し、臨時的な特別の事情があるため、原則となる時間外労働の限度時間(月45時間・年360時間)を超えて時間外労働を行わせる必要がある場合には、通常の36協定届(様式第9号)に加え、さらに以下の事項について労使が合意して協定した上(特別条項)で、限度時間を超える場合の36協定届(様式第9号の2)を所轄労働基準監督署長に提出する必要があります。

①臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合における
・1か月の時間外労働+休日労働の合計時間数 (100時間未満)
・1年の時間外労働時間 (720時間以内)
②限度時間を超えることができる回数(年6回以内)
③限度時間を超えて労働させることができる場合
④限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
⑤限度時間を超えた労働に係る割増賃金率
⑥限度時間を超えて労働させる場合における手続

今回の法改正では、この上限時間内で労働させた場合であっても、実際の時間外労働と休日労働の合計が、月100時間以上または2~6か月平均80時間超となった場合には、法違反となります。このため、時間外労働と休日労働の合計を月100時間未満、2~6か月平均80時間以内とすることを、協定する必要があります。36協定届の新しい様式では、この点について労使で合意したことを確認するためのチェックボックスが設けられています。

そして③限度時間を超えて労働させることができる場合とは、「臨時的な特別の事情がある場合」に限ります。限度時間(月45時間・年360時間)を超える時間外労働を行わせることができるのは、通常予見することのできない業務量の大幅な増加など、臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものは認められません。

また、④健康・福祉確保措置の内容については、以下のものから定めることが望ましいことに留意してください。
①医師による面接指導
②深夜業(22時~5時)の回数制限
③終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)
④代償休日・特別な休暇の付与
⑤健康診断
⑥連続休暇の取得
⑦心とからだの相談窓口の設置
⑧配置転換
⑨産業医等による助言・指導や保健指導

医師については2024年(令和6年)3月31日までの間は延長時間について上限はありませんが、時間外労働を行うにあたっては36協定の締結と届出は必要であり、延長できる時間もその協定に定められた時間までとなります。不必要な時間外労働を抑制する意味からも、できる限り短い延長時間とするようご留意ください。36協定届は「適用猶予期間中における、適用猶予事業・業務に係る時間外・休日労働を行わせる場合」の様式第9号の4を使用できます。

その他詳細については、厚生労働省が作成したパンフレット「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」をご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

2020.10.1436協定は誰と結べばいいのですか

 労働基準法で規定する各種労使協定の労働者側の協定当事者は、事業場の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、組合のない場合等は事業場の労働者の過半数を代表する者となっています。しかし、実態は病院の利益を代表する管理職等がこれになっている例が多くみられるようです。
 現在、労働基準法施行規則第6条の2において、過半数代表者の要件が明確に定められています。
 次のいずれにも該当する者となっています
  ①監督または管理の地位にある者でないこと
  ②協定を結ぶことをする者と明らかにして実施される投票、挙手等の手続きにより 
   選出された者であり、使用者の意向に基づき選出された者でないこと
 なお、使用者は、労働者が過半数代表者であることや過半数代表者になろうとしたこと、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないとされています。

2020.8.20残業をする場合は36協定というものが必要だと聞きました。36協定とはどのようなものでしょうか。

 労働基準法では労働時間は原則として1日8時間及び1週40時間以内(「法定労働時間」と言います)で、休日は週1回又は4週4日と定められています。職員にこの時間を超える残業や休日出勤をさせるためには、病院と職員の代表者とで「36協定」を締結し、所轄の労働基準監督署に届出をしなければなりません(締結だけでは足りず、労働基準監督署への届出まで必要です)。
36協定は正確には「時間外・休日労働に関する協定」と言います。36協定の呼び名は、労働基準法36条に規定があることから来ています。
36協定を結ばず、届出もすることなく、職員に法定労働時間を超える残業・法定休日に労働させたら法律違反となり、6ヶ月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金の対象になります。また協定した制限時間を超えて働かせた場合も同じです。また36協定が締結・届出がされていない場合、例え残業代をちゃんと支払ったとしても法律違反は免れません。
なお、36協定が必要なのは「法定労働時間」を超えての残業をさせる必要がある場合であり、「所定労働時間(就業規則や雇用契約書で定められた始業時間から終業時間まで(休憩時間を除く)の労働時間)」を超えても、法定労働時間を超える労働がない場合は不要となりますが、法定労働時間を超える可能性があるのであれば前もって締結・届出をしておいた方がいいです。
詳しくは労働基準監督署にお問い合わせください。

 

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