労働基準法には、「労働時間」の定義については、直接触れていません。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、
・労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示または黙示の明示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たります。
・労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであり、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断されます。
・次のアからウのような時間は、労働時間として取り扱うことになります。
ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間
イ 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
ウ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間
※院内で緊急時に備えて待っている時間(手待ち時間)、業務に必要な準備行為、清掃等は労働時間になります。診療開始時刻が始業時間ではありません。
※研修・教育、会議・委員会への出席においても強制・命令の場合や、任意の出席でも欠席を不利益に取扱う場合は、労働時間となります。