労務Q&A

本センターでは、医療労務管理アドバイザー作成の「労務管理実務Q&A」を順次アップして参ります。医療機関の勤務環境改善に向けた取組みの推進にお役立てください。(Q.をクリックすると回答のA.が下部に表示されます。)

5. 働き方改革に関すること⑤その他(働き方改革)

2021.2.18「労働時間」の定義について教えてください

労働基準法には、「労働時間」の定義については、直接触れていません。

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、

・労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示または黙示の明示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たります。

・労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであり、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断されます。

・次のアからウのような時間は、労働時間として取り扱うことになります。

ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

イ 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)

ウ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

※院内で緊急時に備えて待っている時間(手待ち時間)、業務に必要な準備行為、清掃等は労働時間になります。診療開始時刻が始業時間ではありません。

※研修・教育、会議・委員会への出席においても強制・命令の場合や、任意の出席でも欠席を不利益に取扱う場合は、労働時間となります。

2021.2.15なぜ、(医療機関の)働き方改革が必要なのでしょうか?

 背景にあるのは、日本の人口構造の変化です。日本の人口は近年減少局面を迎えており、2065年には総人口が9000万人を割り込み、高齢化率(65歳以上人口割合)は38%台の水準になると推計されています。つまり、生産年齢人口(15~64歳)がどんどん少なくなってくる(2065年には51%台)と推計されています。ここに対応しなければならないという危機感から始まっているのが働き方改革です。
 労働力人口(働き手)が少ない社会を維持するためには、女性や高齢者等の皆様の活躍が必要であり、制約要因(いわゆる正社員の長時間かつ硬直的な労働時間や、いわゆる非正規社員の低賃金と不安定な雇用等)をなくして、多様な働き方を認める方向に変えていこうという発想の下で始まりました。
 働き方改革推進法の理念(目指しているもの)は、古い働き方から新しい働き方への移行を推進すること等です。
 古い働き方とは、一部の職員の長時間労働ですべてを解決したり、長時間労働できない人を労働市場から排除したりする働き方などのことです。この働き方は、人が無尽蔵に供給されうる「人口増加社会」には効率的であったとされます。
 しかし、日本の人口構造が変わり、長時間に対応できる人だけが働くというやり方ではなく、一人ひとりの状況に応じた多様な働き方で労働力を最大限に活かすことが求められています。そこで、法規制によって新しい働き方の方へどんどん促進していこうという発想で、働き方改革が進んでいます。
 つまり、時代の変化に対応するために、働き方改革をする必要があるというわけです。縦割りから連携へ、多職種・他機関の地域内での協働等、少ない労働力でパフォーマンスを発揮する働き方へのシフトが必要になってきます。また、一般に、医療は人手が必要な産業であるといわれますが、働きがいのある、魅力ある職場にしていくことによって、人手を確保し続け、医療を未来に繋げていくためにも、働き方改革が重要です。

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